電話は、お顔が見えなくても人柄やその時の気持ちの持ち様が伝わる。
住所氏名を伺い結婚の夢を伺うと、にわかに明るい声へと変わった
製造業で勤続15年目の彼も然り。
「ハイ、結婚相談所 埼玉 齋藤企画でございます」
「・・・」「ハイ、もしもし」「あのぉ~」と、小さな声で話し始めた。
話を続けるうちに徐々に元気な話しぶりになった時、思い切ったような口調で彼は話し始めた。
「あのぉ~、僕、養護施設で育ったんです」「そうなんですか、それで?」
私の普通の問い掛けに、えっとびっくりしたような返事。
今までご紹介や口コミで何人か成婚されていますし、別に全く問題なく必要書類の提出と
誠実勤勉にお仕事をされていれば、入会はご自由ですと伝えた。
気が向いたら見学に来て下さいとし、その二週間後来社した彼は、ご説明後に納得して入会を決めた。
笑顔も爽やかで人当たりは良いが、人見知りである事と低身長を気にしている。
どの人にもどの家にも事情はあり、その事情を包み込んで縁は良縁に変わると説明。
好きだから一緒にいたい、だから結婚だし、結局は「身長なんて低くても良い、好きだから…」となる。
婚活を開始し4回続いたお見合いは、彼からのお断りを含め不調となった。
落ち込みながらも、縁ある人を探す前向きの姿勢を保ち頑張った。
そして又、次のお見合いもご縁に至らずのお返事となり、それを伝えると「やっぱり僕は養護施設で育ったから・」と彼は言った。
この言葉で、私の心にスイッチが入った。
養護施設で育てて頂いたことは、お見合い前にお相手に理解を頂きましたから、それが原因とは考えにくい。
なのに、そこを結び付けるのは不自然過ぎるし可笑しい。
養護施設で育った事に、都合良く逃げていませんか?
翌日、お相手から会話が進まず、何か聞いても明確な受け返事はなく、ずっと盛り上がらず緊張し疲れたとの報告。
それから、改めて会話のコツを再度アドバイスし、あまり行かないと言うファミレスに出向き雰囲気の慣れ会話をした。
そして半年、2才年上のテキパキとした姉さん女房と結婚を決めた彼。
夢だった家庭を築き子供にも恵まれ、平凡な幸せを楽しく重ねている。
かつて親の離婚で施設に入所し、父親の再婚で帰宅を喜んでいたが、新しい母の反対があり、結局18才まで施設に暮らした。
それを涙ながら打ち明けたあの時の彼の顔が、今尚心に刻まれている。
寂しい思いをした記憶が、温かい家庭を守る想いに変り、施設の方への感謝も膨らんでいる。幸せにあれ、健やかにあれ。
【公式HP成婚事例より抜粋:埼玉県西部在住 30代男性】
結婚相談所 埼玉 30代男性 婚活
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