ちょうど、お見合い立ち合いの最中に電話が鳴った。
ハッキリとした爽やかな話しぶりに年令を伺うまでは 70歳半ばとは思わなかった。
ゆっくりお話をしたいので改めてこちらから電話する旨を伝えた。
子供には恵まれなったが上司の紹介で出逢った妻は明るく笑顔が絶えない女性で
お見合いの時から優しい気配りを感じスグに好感持ち交際に入った。
彼女も初めてのお見合いとあって、お互いに緊張しながらも逢う程に育ちの良さを感じ
益々気持は結婚へと膨らんだ。そして3ヶ月が過ぎた頃、仲人から気持を確認され
結婚したい気持ちを伝え彼女からも良い返事を貰う事が出来て、婚約に至った。
仕事には恵まれていたが出逢いがなく、40歳で初めてお見合してそしてスグに交際に進み
結婚をする事になり夢の様な気持だったと今も覚えていますと彼はしみじみ言った。
専業主婦としてしっかり家庭を守り特にお料理が上手な事に、いつも感謝していたし
休日に彼女が奏でるピアノを聞きながら、コーヒーを飲むのが大好きな時間だった。
健康だけが取り柄だと言っていた彼女の体調が優れないと町医者を受診した日
医師からの電話で速大学病院へと搬送された。
幸せの暮らしの中でいつしかガンが進行していた。
その日から、穏やかな日々は一変し、彼女の入院生活が始まった。
2週間が経過し、すべての検査結果が揃い医師から呼ばれ余命の宣告を受けた。
医師から本人への告知をどうしますか?と問われ、とっさに「しないでほしい」と答え
その日から一変した生活に彼自身も夢を見ている様で、ましてや三ヶ月の命の時間をどうやって受け止めて良いのか
その日から時間が止まったと振り返り話してくれた。
無菌室にいる彼女とは週に1回の10分の窓越しの面会ではあったが
渡された受話器からの声と笑顔は今までと変わらず、彼女からの精一杯の想いだったのだろう。
季節が移ろい秋風が吹き始めた頃に彼女は静かに息を引き取り、
3ヶ月ぶりに抱きしめられたと涙ながらに辛い日々を話してくれた。
彼女との幸せな想い出を振り返り、10年が過ぎた頃から
「ありがとう、幸せに暮らしてください」との遺書を読み返し
寂しい生活の中で再婚を考え始めたと静かに話してくれた。
特に多くを望む事もなく「健康で明るい方」を希望し、婚活を始めた彼は気持ちを切り替え、お見合いを開始した。
そして、ご主人と死別され、亡き妻と同じ年の方との縁を頂き結婚を決めた。
新しい妻にはすでに自立している3人の子供達がいて
週末に家族で遊びに来ては賑やかな時間を過ごしている。
再婚の妻は亡き妻の仏壇に花を飾り、朝晩のお線香を欠かすことなく
とても優しい人だと、嬉しそうに話す彼の笑顔が幸せを伝えてくれる。幸せにあれ♪
「亡き妻の願いはひとつ。あなたの笑顔。再婚それも一つの道」
【公式HP成婚事例より抜粋:埼玉県中央在住 70代男性】
結婚相談所 埼玉 70代男性 婚活
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