朝8時過ぎ「娘が結婚する気がなくて困ってるんです」と
困り果てた様子の母からの電話。
「結婚相談所 埼玉」の読売新聞地域版の埼北よみうりをもう何年も見続け
ずっと切り抜いて取ってあると話してくれた。
「ありがとうございます」「お嬢さんは結婚するお気持ちはあるのでしょうか?」と聞くと
結婚の話をすると部屋から一歩も出て来なくなったと嘆く母。そ
の為に、以前のような団らんの時はなくなり、家の中がピリピリしていて
その上夫は何も言わずに甲斐性がないと言い放ち、話の矛先は夫に向かっていった。
年令は36才、都内の大手銀行勤務で役職に付いていると言う。
「ご立派ですね」と言う寂静に、出世なんか良いから人並みに結婚してほしいと母は尚熱い。
田舎町で同年代の方の結婚や出産の話が聞こえる度に肩身が狭いとも言う。
自宅が駅から遠い為、朝晩片道20分掛けての送迎が母の日課らしい。
おまけに月末とか仕事多忙の時期は、最終電車での帰宅も少なくなく、疲れ果てたと続けた。
どうしたら良いのか判らないと話し続ける母に「婚活無料相談」に是非お出かけ下さいと伝えた。
そして1週間後、ご両親が来社。いつもの通り「仕事の代わりはいても、自分の替わりはいない」
「年令は大切な財産」である事を伝え、待っていても出逢いが難しい時代である事を話した。
基本的には仲人をしている寂静だが「結婚して良し、しなくて良し」「子供いて良し、いなくて良し」と考えてはいる。
けれどお子さんをご希望なら、年令をしっかり見つめる事が大切だと伝えた。
「ではどうしたら良いんでしょうか?」とのご両親の問い掛け。
是非一度、親の圧でも世間体でもなく、人生の先輩として自分の人生を見つめ直して欲しいと
穏やかに語りかけてほしいと伝え、社会見学に寂静の所に来るように言って下さいとアドバイス。
見学に来たからと無理な営業はしませんと申し添え、話は終盤に。
まずはご本人の気持ちを尊重しましょう。この町は口コミで来る方が多く改めて地図を見ると一軒隣りもそう。
翌週、早々にご本人が来社した。
「年令は大切な財産」であることを伝え婚活が開始した。
お相手に対しての超高い理想は想像の通りで「貴女の理想の条件は、必ずしも幸せの条件ではない」事を伝えると
お見合いのお申し込みを頂いた方とのお見合いがにわかに動き出した。
交際に入ると帰宅時間は終電になる事もなく、結婚が決まる頃は8時前になった。
今も仕事熱心&責任感は変わらず、現在は二人の子育て中で、間もなく3人目の出産休暇に入る。
少しのきっかけが人生は創られる。