2023年7月22日
「ときがわ町の友人に教えて貰いました」と
電話予約の上で電車を乗り継ぎ埼玉県東部のはずれから
約2時間半を掛けて来社下さった63才の上品な女性。
看護学校卒業後、付属の大学病院に定年退職まで勤務を続け、多忙な中で夢中に働いたと話してくれた。
仕事が大好きで、毎日が充実していたし、健康に恵まれていた事も有難かったと言う。
一人暮らしではあったが、その間近くの実家のご両親を順に介護し、看取ったとの事。
退職後半年間は、激務と責任の使命感から解き放たれて、暫くはポーっと過ごす日々が続き
時間だけが過ぎていき、改めて24時間が自分だけの為にある事を実感した。
夢中だった人生を思い返し、これで良かったんだとやり切った感と安堵感の中で
これからの自分を前向きに考え始めたらしい。
多くの患者さんに寄り添い、人として豊かな時間を過ごせた事が、これからの自分の人生の道標だと笑顔で語った。
話は盛り上がり、あっという間に時間が過ぎていった。
これからは支え合い互いを尊重し穏やかに暮らしたいし、趣味の生け花や旅行も楽しみたいと夢は広がった。
将来を真剣に考えず、年金もかけていなかった方が
慌てて老後の不安を感じて相談所に駆け込むケースとは異なり
まさに誠実に貫いた人生で明るい今後の生活が聞いていて温かい。
隣りのときがわ町の新聞に折り込んだチラシが、結婚を考えている友人に郵送され、それを見て尋ねてくれた縁が、有難く嬉しい。
あれから1か月、書類も整い婚活はにわかに動き出した。
聡明な彼女の笑顔とプロフィールに、お見合いのお申し込みは多く
何度目かのお見合いで大手商社を定年退職した、一つ年下の男性と趣味も合い意気投合
交際は順調に進み楽しいデートの様子が伝えられた。
奇しくも彼はときがわ町で、まさしく縁の不思議を思った。
共に初婚、共に両親の介護を経験し、誠実に仕事一筋に勤め上げた環境も似ており
気持ちは静かに確実に膨らみ良縁となり結婚を決めた。
今、彼の実家である、ときがわ町に移り住み、友人や近所の方々との親交を深め、バーベキューやハイキングを楽しんでいる。